とあるリアルスタートアップのコロナウィルスで起きたことメモ

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このブログは、この先、何十年も立ったときに、 当時の状況を忘れないようにするためのメモである。 自分自身、会社が歩んだ道の一つとして記録しておく。

目次

  1. 小学校の休校から緊急事態宣言まで 2月末~5月末
  2. 一部のメンバーの休業
  3. 各社飛び込み営業
  4. ビジネスモデルの見直し
  5. これから

1.小学校の休校からすべての景色が変わった。

2019年 12/31 コロナウイルス 初回報道
2020年 01/20 コロナウイルス 死者報道
01/21 クルーズ船騒動開始
01/26 IT企業の在宅勤務報道
01/31 国内マスク不足
02/27 政府 小学生一斉休校 2/28~3/13まで
02/28 ディズニーランド 他のエンタメ施設が閉鎖
03/10 政府 歴史的緊急事態発令 10日程自粛要請
03/24 東京2020オリンピックを延期
03/27 東京都 週末外出自粛 3蜜アナウンス
04/07 5/6までの1ヶ月間 緊急事態宣言発令 人との接触を7~8割削減
04/11 緊急事態措置/休業要請の開始
04/17 緊急自体宣言 全国に拡大
04/25 東京都 4/25から12日間 ステイホーム週間
05/04 政府 緊急事態宣言 5/31まで延長

自分たちが展開している事業は、まさにその”ど真ん中“にいる。
キッズ・ファミリー向けのデジタルテーマパーク「リトルプラネット」
2月末の政府から発表された学校の休校要請から現在約3ヶ月が経過した。
コロナウィルスは知らない所で子供から感染を広めてしまうということで我々のパークは、感染拡大を避けるためにも運営を自粛した。

4月から我々は新しい期の始まりでこれからもっとよくなるようなアップデート計画を作っていたが、早くも無力なものへと変わった。我々のようなスタートアップにとってはとても大きな痛手である。 2018年7月から常設で展開を始めた我々のパークはFC含めて約2年半で11パーク。各商業施設毎に賃料やスタッフの給与などは発生する。パーク数が多い分だけ負担は大きくなる。苦しいのはスタートアップだけではない。屋内向けレジャー大手「ラウンドワン」 8月で運転資金枯渇といったニュースもでていた。店舗数が多ければ大きいほど掛け算でコストもかかってくるのだろう。

コロナウイルスは一瞬にして”モノ消費からコト消費”という大きなトレンドを軽くブチ壊していった。

2.パーク休業に伴うメンバーの休業

我々は、従来のハードウェア型のテーマパークをソフトウェア中心のテーマパークに変えて変幻自在に変化するテーマパークを作るというのがスタートであったものの実態はリアルでしか生きられない既存のテーマパーク同様の状態であり、コロナウイルスの影響をモロに受けてしまった。OMO (Online Merges with Offline) のような考え方で自宅でもパークでも楽しめるを早急に対応できていればこうはなってなかったかもしれない。 というわけでパーク中心に関わっていたメンバーで業務ができなくなってしまった、別業務への転換が厳しいメンバーは休業に入ってもらった。これは本当に心苦しいことだ。

3.各社飛び込み営業

リトルプラネットの運営ができないこともあって、これからどうしていくかと考えた時にすぐさま行動したことは、リトルプラネットで培った技術ノウハウを展開して、あらゆる企業とのパートナーシップの獲得や受託に繋がるようなことができないか。ということでひたすらコンタクトしていった。色々な業種の方々と打ち合わせ/テレカンをさせていただいた。 リアル×デジタルを活用した空間演出案件、各企業様に対して子供達に向けて開発するプログラミングカリキュラム、スマートフォンを活用したARコンテンツの開発案件、リトルプラネットとのパートナーシップ。いろいろな可能性を探った。皆さん本当に優しいもので、こんな辛い時期でもお話を聞いてくれた。また私自身がこういった営業企画みたいなことは率先してやってこなかったが、今回感じたのは各社の課題やニーズを聞くというコトにとても関心を持った。企画を作る身からすればお互いにwin-winになることが幸せなことは間違い無い。そんなニーズをダイレクトにヒアリングできる。結果より良い取り組みにつなげられる。そんなコトを学んだ。苦労を共に背負った仲間同士どうやったらこの暗雲から抜け出せるか。ここで繋がった企業様とは一生のお付き合いするぞというような感覚がある。
「運気を磨く」 田坂広志さんの本で紹介されている「シンクロニシティ」という言葉がでてくるが、飛び込み営業をすればするほど、様々な課題・ニーズのパズルがガシっとハマるそんな シンクロニシティ(不思議な偶然の一致)が訪れる瞬間が度々起きた。

4.ビジネスモデルの見直し

ショッピングモール中心に展開しているビジネスで、お客様向けにサービスを提供するBtoC型のビジネス。今回の件で壊滅的な状況になった。 ショッピングモールそのものが3蜜(密閉、密集、密接)、そして我々は子供向けということもあり多重苦な状態。 そんなこともあり、テーマパーク事業以外のビジネスを複数立ち上げた。

オフライン領域 : [BtoB]空間演出 / [BtoB]小売・サービス事業者向け
オンライン領域 : [BtoC]たいおんログ / [BtoBtoC]ARアプリ/[BtoC]新規アプリ

正直、全方位網である。コロナ渦中でオフライン領域はどうなんだという声はあるだろう。 だが、空間演出はタイムラインが長いので来年/再来年という案件も動いてたりする。また、空間演出の中にデジタルシフトの提案であったりもある。小売・サービス事業者向けビジネスは正直向かい風だが、今の状況だからこそ営業できるチャンスがあったりする。

オンライン領域は言わずもがな。たいおんログに関してはいままでと毛色がまったく違うと思う。これはコロナ問題がではじめた際のランチで思いついたアイデアを約1週間で実装しアプリとしてだしたもの。内容は、体温管理を皆で共有できるというもの。コロナの中でのリトルプラネットの運営で安心・安全を徹底するもとで作られたのがキッカケではあったが、WBSで工場を稼働しないと会社が潰れてしまうといったような会社が取材されておりアナログで体温を計測して現場でメモ管理していたのをみて、コレは法人向けにも使えるサービスになるのではないかと急速展開したアプリサービスになる。おかげさまで多くの問い合わせもありサービス提供をしている。

ARアプリでは、ARクッキーといったしゃべるクッキーをサービスとしてもっているが、そのサービスをカスタマイズして、営業代理クッキーとしてコロナ渦中にも営業代行をするクッキーというサービスを作った。

コロナウイルス発生後、リトルプラネット以外の新規事業が多く立ち上がり始めている。リトルプラネットに関しても、プログラミング教育カリキュラムの部分をオンラインでZOOMを使ってユーザーに提供してみたり、オンラインでアトラクションを楽しめる環境を作ってみたりといろいろな試みをしている。
といったように一つの大黒柱が揺らぐ状況下で我々は様々なチャレンジをしていっている。

5.これから

コロナウイルスとは1年~2年は、付き合いながら生活をしていかなればならないという声も多くあがっている。リトルプラネットが再びオープンすることは間違い無い。 だが、お客さんが戻ってくる保証はない。 是非多くのお客さんに戻ってきていただいて今まで以上に楽しい空間に戻れれば理想的。 正直、未来はわからない。その時には、今の形でのテーマパークとは形が変わっているかもしれない。 その時にはその時にあった次世代型テーマパークを届けられればと思う。